捨てられる食べ物をごみではなくクラフトビールに
クラフトビールは、小規模な醸造所で職人たちが丹精を込めて作るビールです。
昨今は幅広いシーンに浸透しており、日常のライフスタイルに定着しつつあります。海外ではごみを原料にした廃材クラフトビールが登場し、ビール業界に衝撃を与えました。その波は日本にも押し寄せており、各地で捨てられる食べ物を使ったビールが誕生しています。
廃材クラフトビールは売れ残りのパンや果物等にホップや麦芽、イースト菌を加えて作られます。
ビール醸造においても、当然ながらごみとして廃棄される材料が沢山あります。それを変えたいという思いから、新たなビールが誕生しました。
廃材を用いることで、ビールの原材料の何処に無駄があるのか明らかになります。食品ロス削減は世界的な潮流であり、ビール業界もその流れと無関係ではいられません。大規模なブリューワリーでは難しいことが、小規模な醸造所では比較的に容易になるのもポイントです。
ゴミから作られるビールは、同時にゴミを出さないためのビールともなりました。醸造過程で用いられたホップや麦芽のカスは、その殆どが廃棄されずに地元農家で再利用されるシステムが確立されています。
そもそも、ビールとパンは相性が良いものとして知られます。ビールの誕生は新石器時代に遡り、雨に濡れたパンが発酵したものが起源とされます。クラフトビールは世界中で大流行しており、その背景には製造レシピの自由さがあります。何よりパンから作られるクラフトビールは、優しい口当たりが特徴です。
また、ビールにする際にはパンをローストするので、香ばしさも加わることになります。
一方、原料に関しては厳選されています。パンの種類に応じてモルトやホップなどが選択され、パンの持つ味わいが最大限に引き出されています。それにより、廃材クラフトビール独特の味わいが生み出されます。それを求めるファンも増えており、廃材クラフトビールは各地で定着しつつあると言えます。