生ごみを食べて育った美味しいウニ
最近話題の「キャベツウニ」を知っていますか。テレビ番組でも取り上げられていたため、ご存じの方も多いかもしれません。 キャベツウニは、廃棄処分になる予定だった規格外のキャベツを餌に養殖されたウニのことです。
神奈川県発祥のキャベツウニですが、元は沿岸漁場から海藻類がいなくなってしまう磯焼けという現象が原因で身入りが悪くなり、食用に適さなくなったウニでした。
このウニが雑食性であることに着目し、様々な食材を与えてみたところ、本来食用に適さないウニがキャベツを食べて大変身を遂げました。キャベツをたくさん食べて育ったウニは身がしっかり詰まっており、とても美味しいことがわかったのです。
ウニの養殖産業だけでなく、廃棄処分されてしまうキャベツをも救った一発逆転の大発見でした。
キャベツのほかにも、ウニに野菜くずや果物の皮を与えて育てる研究が行われています。
例えば、ブロッコリーの茎やミカンの皮を活用することで、美味しく見た目もきれいなウニが育つこともわかってきています。野菜を食べて育つウニは苦みや海藻由来の磯臭さが少なく、ウニが苦手な人でも食べやすいと言われています。
このキャベツウニの発見は今後、規格外野菜の新たな使い道として注目されていくことでしょう。
もちろん、家庭で出る生ごみの処理にわざわざウニを育てることはできません。しかし、野菜くずや果物の皮にはまだまだ様々な使い道があります。
近年では、ベジブロスやキッチン栽培、野菜くずや果物の皮を使った肥料づくりなどにも注目が集まっています。子どもがいる家庭では、自由研究に野菜くずで草木染めをしてみるのもいいかもしれません。
もしかしたら、キャベツウニのような大発見が家庭から生まれる可能性もあるでしょう。
料理をするなら必ず出る野菜くずや果物の皮。少しでも生ごみとして廃棄する分を減らせば環境に優しく、ゴミ捨ての負担も軽減されるでしょう。野菜くずを生ごみに出す前に、その利用方法について一度考えてみませんか。